親知らずを「抜いた方がいい」と判断できる4つの場合
そもそも「親知らず」とは?
専門用語としては「第3大臼歯」といい、いちばん奥に生えてくる歯のことを言います。
その生えてくる時期も10代後半?20代ということが多く、大学生から若手社会人の時期にトラブルを起こすことが多いです。
妊娠・出産を予定されているご婦人方がお困りになることも多いです。
通常の歯が生える方向とは違い、横向きや外向きに生えてくることが多く、不快症状が発生しやすい歯です。
親知らず
親知らずは抜くべきか?残すべきか?
「抜いた方がいい」あるいは「抜かずに残しておくべきだ」・・・ご友人、あるいはかかりつけの歯科医師などからも、いろいろな意見がありえます。
正直なところ、ケースバイケースで判断するしかありません。
私は歯科医師として、日々多くの方のお口の中を拝見しています。
中には、親知らずを大事に残しておいたために、隣の歯がさらにダメになったケースを数多く認めています。
どのような歯であれ、できるだけ残していくように努める、というのが歯科医師としての私の使命であることはじゅうじゅう承知しておりますし、日々そうすべく努力しております。
しかし時と場合によっては、その歯を取り除く(抜く)ことがより大きなメリットをもたらすということもプロフェッショナルとして提言できます。
今回この投稿では、親知らずに話をしぼって、「抜いた方がいい」と考えられるポイントをお知らせします。
親知らずを「抜いた方がいい」と判断できる4つのケース
1.親知らずそのものが、ある程度の深さの虫歯になってしまっている
2.親知らずそのものが、痛みや歯茎の腫れなどの原因になっている
3.親知らずのために、あごの動き(口の動き)が障害されている(顎関節症の原因になっているとか)
4.親知らずが存在するために、隣の歯の治療を進めるにあたって邪魔になる
親知らず
親知らずの弊害:手前の歯にむし歯
つまり、親知らずを残しておくことが、他の歯にとって、お口全体にとって、生活全般にとって、デメリットや障害となってしまう場合は抜いた方がいいという結論になります。
親知らずはお口の中のいちばん奥に存在するために、通常行われるような「歯を残す治療(=詰め物や神経の治療)」が、「したくてもできない」という場合があるのです。物理的構造的に治療器具が届かないことも多いのです。
ちなみに生活状況との関連で言えば、現時点で困っている症状がないとしても、
・留学や海外出張を控えている
・妊娠、出産を計画している
・受験、就職、研修などを予定している
などの場合、つまり「人生の転機」を迎えるその前に親知らずの処置を考えてみることもいいかもしれません。
外国で歯科の治療を受けることに不安を覚える方は多いですね。
言葉の問題、医療制度や健康保険制度の問題、など心配事はつきません。
もちろんどの国でもすばらしい技術を持ったドクターは大勢いるのですけどね。
留学、就職、結婚、妊娠、出産など、どれもすべてが大事な人生の一大イベントです。
みなさまそれぞれ必死に取り組んでいくことばかりです。
その大事な人生イベントが、口の中のトラブルが原因で障害されてしまってはもったいないなぁ、といつも思います。
人生において歯がすべてではありません。しかし、歯、そしてお口の中を快適に保っておき、人生における大きなイベントを、つつがなく成功裡に過ごしていただきたいと願います。
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